独立二十周年記念能詳細 その1

今回の独立二十周年記念能の最初は、共に内弟子を過ごした仲間と、後輩に仕舞を舞って頂きます。

(敬称略)

「高 砂」関根 祥丸

「清 経」木月 宣行

「羽 衣」角 幸二郎

「放下僧」林 宗一郎

「春日龍神」坂口 貴信

二十六世観世宗家の観世清和先生のもとで、修業をさせて頂いた「同じ釜の飯を喰った仲間」です。

能は舞台芸術ではありますが、この仲間は、芸以外の部分での繋がりも強いです。

お客様には見えない部分こそが能の核心で、その繋がりは言葉には言い表せません。

師匠、先輩方に様々なご指導を頂いていますが、この仲間がいなければ、私はここまで能を続けられなかったかもしれません。

本当に感謝するばかりです。有り難うございます。

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以下は、能をご存知無い方のために。

能は謡(セリフ、歌)、舞(所作、ダンス)、囃子(楽器演奏)、面・装束を使用します、いわばミュージカルです。

その中から、見せ場となる部分を切り取り、謡と舞だけで、更に面・装束を着用せずに紋付袴の姿で演じるのを「仕舞(しまい)」といいます。

アマチュアの方が「能を習っています」と仰られた場合には、謡と仕舞を習っている、とお考え頂いたら良いと思います。

能の舞は「型」と呼ばれる決まった所作を繋いで作られていますので、その「型」の完成度をご覧頂くのが「仕舞」と思って頂きたいと思います。つまり、何を演じているかの内容を理解して頂くものではない、、ということです。

更に番組に小さく「クセ」「キリ」などと書いてありますのは、1つの能の中で「仕舞」となっている箇所が2ヶ所以上ある演目の場合には、どの部分を舞うかを記します。これは記さなくてはいけない決まりではありません。

この5つの演目は、どれも3〜5分くらいになります。