独立二十周年記念能詳細 その3
仕舞
「老 松」寺井 栄
「定 家」観世恭秀
「西行桜」武田宗和
「融」 山階彌右衛門
(敬称略)
私が東京芸術大学在学中は、藤波重満先生が教授でいらっしゃいました。
また修業期間は、関根祥雪氏、野村幻雪氏、谷村一太郎氏が地頭をそれぞれにお勤めになられ、様々に勉強させて頂きました。
御三方に続き、坂井音重氏、角寛次朗氏、木月孚行氏も相次いで鬼籍に入られ、今の観世会の現役長老は、観世恭秀師と武田志房氏になりました。
父親が能楽師ではない私に基礎を教えて下さったのが、観世恭秀師です。
今回は恭秀師に仕舞「定家(ていか)」をお願い申し上げました。
また恭秀師には、私の公演「清水義也能の会」で『俊寛』と『二人静』のシテをお勤め頂きました。
80歳を超えられても立ち居に不自由なく能を勤められる師のお姿は、本当に素晴らしいです。
そして、寺井栄氏、武田宗和氏は生き字引のように、何でもご指導下さいます大大先輩です。
世代ごとに様々な先輩がいらっしゃる観世宗家の層の厚さ。本当に有り難く思っています。
そして、山階彌右衛門先生。
師匠のご舎弟です。
若い頃から様々にお世話になり続けていて、今回は、能「道成寺」の地頭(地謡のリーダー)もお願いさせて頂きました。
時代の変化によって、能も変化します。
各時代で観世宗家の中核を担われた先輩方。
私も先輩方を見習って頑張りたいと思っています。
これからもよろしくお願い申し上げます。