母校での授業
横浜・関東学院高校での授業は8年させて頂いています。
対象は高校1年生です。
私の授業は能を教えるものではなく、様々な生き方を伝えています。
今日はその3回目。
クラスの代表者1名に「敦盛」の面・装束を着付けます。
今日お教えしたことは、ヒモの結び方。
結び目ばかりを締めてもダメ。その前から、キッチリと本体に沿わせてあげないといけないよ、、と。
着付けをしている時に、それを見つめる他の生徒さん方の真剣な眼差しが素敵です。
「彼は、この上ない体験をしている。私が用意した場で積極的に『やる気』を見せ、自らチャンスを掴んだのだよ」
何事においても、積極的に前向きに生きて欲しい。
、、、そんな授業をさせて頂いています。
伝統文化を子供に教えるのは、時代錯誤のものを伝えても心に響く人は少ない。
でも、自分が生きていくのに役に立つことを教えてあげれば、絶対に心に残るはず。
母校の後輩たちに頑張って頂きたいので、精一杯私も頑張っています。
いよいよ次回は能を実際に観ることになります。
昨日はある女子生徒さんが私のところに来て「もうこれで授業は終わりなんですか? もっと聞きたかった」と。
クラス全員で謡う『敦盛』の謡は、回を重ねるごとに声が大きくなります。
「間違えても恥ずかしがることはない。それよりも皆で協力して、この授業を1分でも早く終わらせられるように、大きな声を出そう!」
ただ「大きな声を出す」だけをミッションにしている謡。
価値観の違う個人がクラスとして大きな声を出し、次回の鑑賞会では鑑賞前に学年として1つにまとまってこの謡を謡います。
長々とした文章をお読み頂き、有り難うございました。