もう10月

11月13日(金)、横須賀芸術劇場で上演する新作能『小栗上野介』まで、あと一か月半ほどとなりました。

昨年から準備を始め、本当にたくさんの方々のお力をお借りしながら、ここまで来ました。

今回、私がなぜ小栗上野介を能にしようと思ったのか。

それは、小栗公の功績を知ってもらいたいということだけではありません。

能という芸能でなければ描けない「小栗上野介」があると思ったからです。

能には、亡くなった人がこの世に現れ、自らの思いを語り、舞い、そして再びあの世へ帰っていく作品が数多くあります。

六百年以上にわたって、能は死者の思いと向き合ってきました。

ならば、小栗上野介もまた、能の舞台に帰ってくることができるのではないか。

そんな思いから、この作品は始まりました。

幕府のために働き、日本の将来を考え、横須賀製鉄所建設を進めながら、明治元年、非業の最期を遂げた小栗上野介。

しかし、今回描きたいのは「偉人・小栗上野介」だけではありません。

友がいた。

家族がいた。

妻がいた。

そして、志があった。

一人の人間としての小栗上野介を描きたいと思っています。

そして何より、この作品を横須賀で上演することに意味があると思っています。

11月13日。

横須賀芸術劇場の舞台に、小栗上野介が帰ってきます。

能をご覧になったことのない方にも、ぜひ観ていただきたい公演です。

「能は難しい」と思われている方もいらっしゃるでしょう。

今回は小栗上野介という人物の説明や、作品についてのお話もしてから、能をご覧いただきます。

知識がなくても大丈夫です。

そして、このブログを読んでくださっている皆様に、一つだけお願いがあります。

11月13日という日を、どうか覚えておいてください。

もし少しでも、

「小栗上野介を見てみたい」

「新しい能がどんなものなのか見てみたい」

「清水義也が何をやろうとしているのか見届けてやろう」

そう思っていただけましたら、ぜひ横須賀芸術劇場へお越しください。

一人でも多くの方と、あの日、あの場所でしか生まれない時間を共有したいと思っています。

舞台は、演者だけでは完成しません。

見届けてくださる方がいて、初めて一つの舞台になる。

11月13日、横須賀芸術劇場でお待ちしております。

新作能『小栗上野介』

令和8年11月13日(金)
午後2時開演

横須賀芸術劇場 大ホール

S席 10,000円
A席 8,000円
B席 6,000円
C席 5,000円