複数の霊が登場
新作能「小栗上野介」では、このタイプの能には無い、たくさんの幽霊が登場します。
小栗上野介の霊とともに登場するのが新見正興と森田清行の霊。
東善寺での弔いにより小栗の霊が1人で現れる、、、
これが他の能の作り方。
ですが小栗は、自らの斬首により、家来や村人をも巻き込んでしまったので、申し訳ない気持ちから、1人で弔いの場に戻ることが出来ない。
その小栗の後押しをしてくれるのが、遣米使節団70数名の仲間たちの霊。
そのような設定で、70名は舞台に出せないので、新見正興と森田清行の霊に代表、象徴として出てもらうわけです。
、、、、、
彼らは、共に過ごした遣米使節の行程の中でニューヨークでの歓迎晩餐会を思い出して舞を舞います。
その盃の中に妻の面影が映り。
小栗が妻との別れを悲しんでいると、三野村利左衛門の霊が妻の霊を連れて現れます。
小栗亡き後、江戸に戻った妻の面倒を見たのが、三井財閥の中興の祖でもある、三野村利左衛門でした。
妻の行く末を案じていた小栗は、安心して、ともに再会を喜びます。
、、、という展開なので、何人もの幽霊が登場するわけです。
その幽霊たちを出さないのが能のやり方、、という考え方もありますが、今回は敢えて登場させる演出にしています。
『未完の人生を歩んだ武士の 愛、友情、名誉、別れを描いた能』
この副題を具現化するために。


